« 2009年2月 | トップページ | 2009年5月 »

2009年4月

2009年4月15日 (水)

トヨタの「減産縮小=増産」の狙い

ふと気が付くと1ヶ月半も放置。それでも毎日アクセスがあるって、検索エンジンは偉大だなぁ・・・・

ということで話はちょっと前、3月の頭にさかのぼる。

昨年後半からの景気の急激な減退に合わせて、トヨタをはじめとする自動車各社が工場に休止日を設けるようになった。

でもって、2月の終わりか3月の頭ごろだったと思うけど、「生産調整の結果、在庫圧縮が進んだので、4月以後は減産を縮小(=今より増産)する」というような報道があった。

事業目標とかではなく、部品生産する各社が必要な量を確実に供給できるように、少し先の目論見を提示することにしていて、その中で出た情報とのこと。

ま、確かに、政府が景気対策するし、アメリカも景気対策するし、ドイツあたりは古い自動車を燃費の良い車に買い替えると補助する(その後、各国にひろまったけど)政策で年明け以後は過去最高の自動車販売とか、そんな話があったし。

もともとトヨタは「カンバン方式」とやらで、必要なだけの車を作ってなるべく部品も(たぶん完成車も)在庫を持たないように努力していたから、生産縮小するとすぐに在庫は解消するんだろうし。

そこまでなら、いいんだけど!

その数日後くらいか? 「販売が回復しているという手ごたえはない」というような、これも何かの記者発表に合わせての会社からのコメント。

ハテ?手ごたえないのに、何を根拠に「減産縮小」しようとしたんだろうか?

そのときにいろいろ考えて、後ろ向きな理由と前向きな理由を1つずつ「ありそう」だと思った。

増産の【後ろ向きな理由】

まぁ、なんちゅうか、部品会社への一種の財政支援?

実際にトヨタへ部品納入していた会社がいくつか民事再生とかになっちゃったみたいだし、部品会社まで一体でノウハウためて車を作るトヨタにとって、これ以上「持ち駒」が消失するリスクが、長期戦略的にまずいと思ったのかもしれない。

どこかを至急買収することも、増産投資も差し迫っていない中で、巨額な内部留保の活用という点では「本体が単年度くらい赤字になっても、競争力の源泉である部品会社を維持する」というのはひとつの戦略といえるだろう。

・・・実際、09年度も5000億赤字になりそうとかいう発表が最近ありましたね。

大企業の「赤字」っていうのは、ある意味で中小企業に対してはプラスの経済効果(収入以上に支出している=その差分は社会への投資ともいえる)という、良い見本です。

増産の【前向きな理由】

これを前向きというかどうか微妙だけど。

トヨタともなれば、日本だけでなく全世界のさまざまな政治、経済動向を把握できる人脈も情報網もあるでしょう。

で、その中の(2月末時点の)「アメリカからの情報」として、

「オバマ政権は、GMとクライスラーの両社が希望する緊急融資に厳しい態度を取る」

という情報が入っていたとしたら?

公式の公表は3月の上旬だったと思いますが、「いっそうのリストラ」「期限付きのつなぎ融資」、さらに最近では「GMはチャプターイレブン(破産法)も考える」とか。

その程度がどのくらいであれ、

・例えば工場閉鎖というリストラによって
・例えば労働組合ともめてストライキ等がおきて
・例えば信用不安から部品会社が納品(売掛)をいやがって
・ましてや破産法等が適用されたり
・有能な幹部が退職したり
・そうでなくても、そちらの対応に経営リソースが割かれるのは確か

つまり、先の情報をいち早く入手していると、GMやクライスラーの「供給・販売力」が、5-6月以後に大幅に低下する可能性が極めて高い という予想は簡単に成り立つ。パイが縮小していても、ビックスリーのうちの2社の供給力がガタ落ちするなら、トヨタが取れる販売量は、パイの縮小率よりずっとダメージが小さい。ならば、「GMもクライスラーもまだ混乱が小さい状態でパイだけが縮小した2月までに比べると、生産量を増やして大丈夫」ってことだ。

逆に、もしも「産業と雇用保護のために、労働組合等を支持基盤とするオバマ政権は国民や議会を説得してGMとクライスラーの存続・雇用維持(=リストラは最小限)を優先する」と情報を得ていたら、政府の資金で事業運営・競争を挑まれる状況になるわけで、いくらなんでも「販売回復の手ごたえがない」状態で増産を決定するわけない んじゃねーか?と思います。

「いや、ホンダのフィットとか、トヨタもプリウスはすごく売れてるじゃん」・・・ハイブリット車は、電池とか普通の車と異なる部品も生産・検査ラインも必要で、部品レベル(自動車産業ってより電器とか、大型リチウム電池とか)を含めると全国の工場休止を大幅に縮小して、その分全部をハイブリットの増産にまわすってのは不可能でしょう。

・・・と、考えて「生き馬の目を抜くっちゅうか、経済は戦争だねぇ」 (((゚Д゚)))ガタガタ
なんて思ってました。

ま、自動車なんていう巨大産業においては、素人にはおよびもつかない「大人の駆け引き」があるんでしょうから、全然違っている可能性のほうが高いでしょうけど・・・(ノ∀`)

« 2009年2月 | トップページ | 2009年5月 »