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2010年6月

2010年6月16日 (水)

はやぶさ と事業仕分け -科学技術予算は無駄なのか?-

前の記事を書いたのは・・・どんだけ昔だよ!

さて、5月くらいからハヤブサのおっかけ状態になって、jaxaのtwitterとか毎日チェック、地球帰還もUSTREAMで生WEBで見ました。

帰還の成功が盛り上がるにつれて、twitterでも新聞サイトでも、はやぶさの地球帰還を絶賛する民主党大臣に「事業仕分けで予算削った超本人じゃねーか」とキツイ批判が浴びせられている。

はやぶさはこれまでにいろいろな成果を挙げ、さらにイトカワの砂まで持ち帰ったらまた世界が大騒ぎ(YouTubeには、今回の地球帰還を報道する海外の映像もたくさんある)だろうけど、今の流れでいうと「はやぶさ2の予算を自力で復活させる」という自給自足(?)の成果すら出しそうだ。

その一方で、「そんなものに150億なんて、意味ない。雇用対策に少しでもまわせ」という反論も根強いとも。

しかし、冷静に考えてみよう。「無駄な予算」とはなんだろうか?

例えば、はやぶさ2の予算が全部で200億円執行されたとする。
それは、生活保護や景気対策の公共事業に200億円使うのと、どの程度違う意味があるか、明確に説明できるだろうか?

人工衛星開発予算200億円のうちの一部は、JAXAで働く人(=労働者)の給与となり、一部はメーカー等へ機器開発費用として流れ、そこで働く人の給与になり、部品費用になる。人工衛星のような一点ものは町工場で作ることもあり、そういうところにもお金が流れる。打ちあげロケット作るにも(その部品にも)金が流れ、打ち上げ作業をする人の給与になり、打ち上げ見物の観光客を引き寄せる。

 雇用対策費よりも「無駄」なのはどこなのだろう????

もちろん、レアメタルのように海外から輸入する物品費もあるだろうけど、全体に占める割合は軽微だろう。

じゃあどんな予算も無駄じゃないかというとそんなことはない。

少なくとも景気と雇用対策という意味で無駄な予算と有益な予算は簡単に区別できる。

それは単純にいうと「お金の回転と効果波及の速さと国内貢献度」である。

200億円が執行され、それが「貯金」になると世の中を動かす力が弱くなる。お金が動いても海外に出て行ったら意味が薄くなる。

例えばお金持ちが高価な宝石買いましたとか、海外に別荘買いましたとか、それはダメだろう。

ナントカ手当てとか個人への給付も、まず給付するという管理事態に時間がかかり、実際にお金が役所から出るまで個人が先行消費することもない。子ども手当てなんか、4割は貯金になりそうだとか。全然消費刺激効果がない(いつかは消費に回るだろうけど時間がかかる)

一方で、公共事業が景気対策として意味があるといわれるのは、それだけの金が払われるという裏づけのもとで「発注」さえすれば、実際にお金が役所から出て行く前に工事業者は労働者を動かし、下請けを動かし、建材を買って工事をすすめるので、お金は経済を動かす力がある。

人工衛星の開発は、明らかに後者の性格が強い。とくにはやぶさ2は目標となりうる小惑星の位置関係から、2014年の打ち上げが必須で、少なくとも2011年から突貫開発が必要といわれている。予算の執行は2011年度になってからであっても、2010年度末に予算が成立した時点からJAXAはガンガン発注するわけで、同じ金額をもたもたと個人にばらまくより経済効果は絶対に高いと思う。

同じ科学技術予算でも、海外から高価な機材を山ほど買ってきて研究するとか、研究者個人に小額ずつばらまきするよりも、かなりの部分が国産である人工衛星開発は経済効果も十分に高いはず。(科学の期待成果の大小は別として)

そこに夢や感動がくっついてくるんだから、200億とか300億とか、予算を組んでもいいじゃないかと思う。

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